47 酒田の本間さま

 酒田の本間さまじぁ、ある日、夢見たごんだど。そいつぁ、商売道具のハカリが折れた夢だったんだど。本間さま、考えたごんだど。
「ハカリ、折っちぇは明日から飯食わんにぇがもしんになぁ。ほだげんども、もしかして俺ばっかりということになっかもしんね」と言うごどで、一生けんめい働いだんだど。そしたば「おれ(俺)ばかり」にえらくなったんだど。
話者 梅津政五郎 (米沢市梓山)
採集 梅津寛子
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