41 有馬の猫騒動さんけ猫、大きな飼ってだったど。吾一坊さまは碁が上手で、殿さまのとこさ行って碁打って来んなが楽しみだった。ある晩また行ったど。殿さま負けて、今のどこ、ちょっとまてと口論しているうちに、つい殿さま、吾一の首切ってしまったもんだから、家来さ命じ、こっそりと人の目の見えないところさ埋めさせた。ばばは、夕べ、また行ったげんど二日も三日も帰って来ないので、心配しったった。そして猫に言い聞かせた。 「にしゃ(お前)、かまわず厄介になってんけんど、坊さまどこ探ねて来い」て、くどいたど。猫はばさまに化けて、すっと立って行ったど。猫が御殿さ行って探ねっだとき、菜種油あったの、舐めっだと殺しぱぐった。猫は坊さまの首かぶっいできたど。 |
話者 島貫 (川西町下小松) 採集 山田富士子 |
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