26 ゆうばりとかがみゆうばりとかがみという姉妹がいだっけど。ゆうばりは先妻の子どもで、身(な)成(り)が小(ち)っちゃくて、細こい娘だったど。かがみは今のおかちゃの子どもだったど。そしておかちゃは病気で寝っだったど。そして、「苺食いだい」て言ったど。んだげんども、そんどきは苺がある時ではねがったど。んだげんでも、二人の娘は食わせてあげたいと思って探しに行ったど。ゆうばりはずっと行って広い原っぱさ出たど。ゆうばりは心がやさしがったもんで、自分のクシで池の水で、その髪の毛をきれいにしてけっちぇ、服も洗って呉(け)っちゃりして、きれいな身なりにして呉っちゃど。そしてゆうばりは、また少しいくと苺がいっぱいあったんだど。大喜びでそれをとって、おかちゃさ持っていってやったんだど。それを見て、かがみはおれもとってきて、おかちゃさやんなねと思って、その苺がいっぱいあっとこさ、行ったんだど。その途中またあの気持わるいのが出てきたど。かがみは、 「うう、気持悪い、気持悪い」て言って川の中さ、蹴っとばしてやったんだど。そしたらその変なものは、 「ゆうばりは立派な人の嫁になる、そして幸せになる。んだげんど、かがみは下駄の歯入れの嫁になって、不幸になる」て、つぶやいたど。そしたきゃ、その変なもののいう通りになったど。んだから、なんじょな変なものにも親切にしてやんなねなだ。 |
話者 佐藤(川西町) 採集 佐藤操子 |
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