10 動物説話
(1)メメズの案じごと
夏の夕暮れ、畑仕事の帰り道など、よく、「コロコロ・コロコロ」とかわいらしい啼声を耳にすると、万世村片子(現米沢市万世)から嫁に来た祖母はよくこんなことを言っていたものだ。
「あれはメメズ(ミミズ)の啼く音で、土を食って生きてるメメズも、この土を食い上げたら、あと何食ったらええがんべと心配して啼くのだよ。」
〈いらない心配を「メメズの案(あん)じごと」という〉のだど。
(祖母)
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