47 大工ばなし

 家が不和みたいで、なかなか聟のつとめつらくていだんだど。男の人がよ。
 ところがある時、大工さんが戸かき背負ってもってきたんだど。ほして一生懸
命、戸の上削り、脇削り、溝削り、一生懸命合わせて戸を立てるて、その大工さ
んが、
「んだ、こりゃ、やっぱりなぁ、後から来た人は、出きないこと、あの手この手
で尽くしてつとめらんなねんだなぁ」
 て、その聟さんが感心したけって。おれもほんではなんね。悪れどこは勤めん
なねなぁて、聟さん思ったけて。
(月山沢・遠藤つるよ)
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