40 団子聟(お針の師匠さんから聞いたもの)
「正月礼行ったって、団子なの一つずつなの食ってなんねんだはげなぁ」
なて教えてやったどかて。
ほしたれば、〈一つずつ食ってなんね〉て言(や)っだはげて、二つずつ食ったってよ。
ほして、
「何(なえ)だ、兄(あん)つぁ、団子一つばり残して、はいつばり、みな食ったらええがんべな」
て言うたれば、
「お連(つ)れなくて食(か)れません」
て言うたって。
(砂子関・工藤かなえ)
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