26 地蔵浄土

 団子まるめっだら、団子一つネズミ穴さころげて行ったど。ほいつ追っかけて
行ったらば、ほの中に地蔵さまいで、そこさ団子、土ついたどこ取って、ええど
こばり上げだど。ほれから、地蔵さまが、
「天井さ上がっていろ」
 ていうから、上がっていたら、鬼きたど。その鬼がバクチ打ちして、ほうして
いるうちに夜明ける頃、鶏の鳴き声したど。
 一番鶏なった。二番鶏なった。三番鶏なって夜明けるていうもんで、バクチ打
ちだ、みな置いでなぁ、はいつ、みな、じんつぁもらって帰ってきたど。
 ほしたら、
「なえだて、こっちの家は福しくなった。なぜしてだ」
 て、隣のばんちゃ聞いて、まねして隣のじんつぁも行ったど。ほしてまたほこ
さ行ったら、天井さ隠っでいたら、見つけらっで、
「人くさい、人くさい」
 て言わっで、銭とってくるどころか、ひどい目に合ったど。
(砂子関・工藤あきえ)
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