23 桃太郎

 おばぁさんが川にお洗濯に行って、桃流れてきたな、拾って、ほして家さ帰っ
てきて、おじいさんと分けて食うべと思ったれば、中から種子でなく、桃太郎さ
んが生れてきたど。ほして桃太郎さんをおじいさんとおばぁさん二人で、育てて
な、そして大きくなってから、鬼退治によ、出かけて行ったなて。
 ほんどき、キミ団子たくさん、おばぁさんが作って持たせでやったってな。ほ
したれば途中で犬と会ったってよ。ほして犬が、
「キミ団子、一つくれっど、ついで行くから、一つ呉(け)でけろ」
 なて。ほしてまた犬と二人で行ったらば、キジ出はったなてな。ほしたればほ
のキジさんも、
「お団子一つ呉れっど、応援に手伝いに行く」
 なてよ。ほれからまた猿も出てきて、同じこというて、キミ団子もらった。四
人になって、行ったどこだけな。ほしてほれ、お姫さま洗濯しったけてな。
「どうしてこんなどこに来た」
 て、桃太郎さん見たれば、
「鬼にさらわっできたんだ」
 て、桃太郎さんに話すどこだけな。ほしてほのお姫さまから話を聞いで、かく
れ場のあっどさ、てんでに隠っで、鬼が出て行ったの、帰ってくるのを待ちっだ
けど。鬼が帰ってきてからよ、桃太郎だちみんな出て行って、鬼にはお酒、選(よ)って、
切なくなるお酒出したし、退治に行った人だは強くなるお酒のんで、仇討ちして
きたけど。ほして、鬼の宝みなとって、喜んで帰ってきたどころだけど。どーび
ん。
(月山沢・遠藤あさえ)
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