13 人身御供― しっぺい太郎―とんと昔あったけずまなぁ。ええ娘いっど、人身御供ていうて、上げらんなねなだけど、娘。ほして娘、ほ れ、ええ家の娘一人ずつ、ずうっと上げらんなねなだけど。ほうして一人々々上 げらんなねくて、こんど旦那さまの娘さ当ったれば、ほこの旦那さまの家で犬い だんだけど。んだずど、ほこの家で、はいつば連(せ)て行って、お寺さま拝んでけっ さげ、んだずと退治して呉っさげて、連(せ)で行ったんだけど。 そのお寺さま、拝むずど、その犬は三河の国のしっぺい犬郎と名ついっだんだ けど。 エーポッポタッポッポ 三河の国の五木橋の しっぺい太郎 あのことこのこと 聞かせて下さんな て、そのお寺さま、拝むなだけど。んだどはいつ出はっど、人身御供に上げっ だお姫さま、化けもの連(せ)て行ぐなだけど。んだずど、しっぺい犬郎ていう犬ぁか かって行って退治したんだけど。 大きな狼だか何だかの化けものだけど。ほれ、ほれから、出はんなぐなったん だけど。ほこの家のしっぺい太郎という犬、はいつ退治して呉で、ほこの村で娘 上げねったて、ええぐなってはぁ、ほの犬、大事に育さっだなだけど。 どーびんさんすけ、さるまなぐ、さるのまなぐさ毛が入って、けんけん毛抜き で抜いだれば、めんめんめっこになりました。 |
(砂子関・悪七) |
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