羽黒神社と上杉の封じ道

 池黒上(かみ)の平、現在の元羽黒に鎮座し給うお羽黒様は、それはそれはの荒神様で
修験盛んなりし昔から近郷近在信仰の中心であったという。
 戦国の昔、ある日御領主景勝公が、西の方から初めて御通りあり、池黒亀井橋
付近に差しかかると、乗馬何としたるか、ひざまずいて動かなくなったという。
一同只畏れおののきなすところを知らず、時に馬上の景勝公、羽黒様の方をにら
みつけ、「よくきけ、羽黒、上杉の羽黒か、羽黒の上杉か、返答せい」と大音声。
不思議や乗馬忽ち動き出した。この事以来、その参道は後領主の命に依り、封じ
道として通行止めになって御維新に及んだと伝え語り継がれている池黒の物語り
である。
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