鶯言葉
娘が嫁に行くので、母親が教えたど。
「あっちの家さ行ったら、言葉はええぐ使わんなねぞ。何でも〈お〉つけんなね
ぞ」
て教えてやったど。そこの家さ行ったら、流しの隙間から風吹いて来たら、オ
スリコギがオカタンオカタンて動いてる」
て言うたど。
「そがえに言葉すねたて、ええから、いま少しぞんざいだってええ」
て言うたど。そのうちお父さんのオトガイに御飯粒ついだど。そしたら、
「ヤジ、ドガエさ、カユ、クッツイタ」
て言うたど。
(平井とよ)
>>むかしあったけど 目次へ