3 かわうそときつね

 かわうそ、魚とりしったのさ、きつねが行って、かわうその取った魚を御馳走
になってだど。そしてこんど、
「お前も、人の取ったの食ってねで、魚とりなど造作ね」
 て言うたど。そしたら、
「なじょして取っこど」て言うたら、
「尻尾、氷の中さ入っで置ぐど、みな一人で掛かって来っから、そして取って食
うどええべ」
 て、教えらっじゃど。そのきつね、尻尾(い)っでいつまでも、掛かるうち待って
だらば、氷(すが)張って取んねぐなってよ、そこさ狩人来たもんだから逃げっかと思っ
たげんど、とっても逃げらんねがったていうんだな。そして捕らっでしまって、
そのきつねが常にかわうそどこ欺してよ、お魚とって食べだり悪いことしったら
しいんだな、そんで今まで他人(ひと)欺していたから、今度はかわうそに欺さっで、自
分が命なくしたんだど。どーびんと。
(平井とよ)
>>むかしあったけど 目次へ