67 マイタケ採り

 むかしあったけど。
 あるところにじさとばさいだっけど。隣りにもいだっけど。秋のお天気のよい日、じさ、マイタケ採りにいったら、いっぱい出でたども、ちっとちっちゃがったど。家さ来て、ばさに、
「ばさ、ばさ。今日はマイタケとりに、どこそこさ行ったば、まだちいとちっちゃがった。明後日あたりになっど、丁度ええぐなる」
 て、大きい声で教えだのを、隣のばさ、外で聞いでで、家さ帰って、
「じさ、じさ、隣のじさ、こういうてだげ」
 と教えだら、隣のじさ、明後日でなく、明日採りに行って来て、そろっと並べて、眺めでだど。そんなこと知らないじさが、明後日になったので、行ってみたら、一株も残ってなかったので、がっかりして帰ってくる時、隣を見たら、いっぱいマイタケあったど。
「おやおや、こんがえいっぱい、マイタケ、どっから採ってきたのや」
 と聞いたど。そしたら、隣のじさ、すました顔して、
「うん、明後日から採ってきた」
 といったけど。とーぴん。


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