43 化けもの話

 むかしあったけど。
 毎晩げ、おら家のあたりのような鎮守さまで、踊りみたいな音すっずも。で、それからこんど、なににぎやかにしてるもんだべと思って、そおっと行ってみたど。そうしたら、さまざまな者集ばって踊ってたどこであったど。
 デッツクバッカ スッカッカ
 ニャオニャオにコンコンコン
 このことかまえて 鎌倉の
 カンマン太郎に聞かせんな、はぁ
 デッツクバッカ スッカッカ
 ニャオニャオにコンコンコン
 このことかまえて 鎌倉の
 カンマン太郎に聞かせんな
 くりかえし、くりかえし、毎晩げ踊るごんだど。それから、そのカンマン太郎じゃ、何のごんだべと思って調べてみたれば、鎌倉になんぼか大きな犬いたなであったど。それに聞かせられれば、おれたち、来て集ばって踊ることもでないから、聞かせたくない。それを文句にして獣たち呼び合って楽しんでいたのであったけど。むかしとーびん。
「集成 256 猿神退治」
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