10 黄な粉じじい

 じじとばばいだっけど。
 ばば、黄な粉はたいっだけていうけな。ところが篩ないんだな。なんぼ探ねて もない。じじは何とも仕様なくて、褌取って、まずほろったんだ。
 ところが、じじ褌でふるったのは、ええげんども、じじは屁やってしまった。 そうすっどその黄な粉になって、パッと外さふっとんで行った。そうしたればカ ラスがいた。カラスは異なことつかしあがった。
  しないも道理
  ばば かいぽだもの
 異なことつかしあがる。何だべなて、家さじじ戻って来たど。ばばは腹病(や)めっ どて、寝ていたど。
(遠藤昇)
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