3 けらっぽ峠のきつね

 米沢市口田沢と川西町玉庭の境に、けらっぽ峠というところある。
 女は口田沢で、男は玉庭の堤(つつみ)下の者だったど。そいつが、狐は、二人の男女が 会って話し合ってたのを見ていたわけだ。そんで男が来るとき、女に化けて待っ てで、
「とにかく一緒にならんね。死ぬ他ない。死ぬには首吊りが一番ええ」
 そういうことになって、そこの杉の木に二人で首吊ってしまった。ところが男 の方は目方が重いもんだから、落ちてしまって命拾いしたが、狐の化けた女の方 は目方が軽いがったもんだから、そのまんま首吊って死んでしまったど。
(嵐田勝見)
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