8 姥捨
六十一才になっど、殿さまに差し出せと言われたもんだ。んだどもやりたくないごんだ。んでは、「灰で縄なってさし出せ、出したら年寄りとりあげんのやめる」ていう。「困ったごんだ」て、家に帰って相談した。そしたら、
「そんなこと造作ないごんだ」
こうすればええでないか、縄なってそれをそっくり焼いて、それを殿さまさ差し出したらええべて言うたど。
んだから、いざというときはやっぱり年寄りはたよりになるど。
(高橋しのぶ)
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