5 玉川太郎と慶次之介

 玉川太郎が「ドウ」つけて魚獲りに行ってだな、それ盗みに行って、ドウば慶次之介がとって、ここまで五(いつ)あごで来て隠れた。玉川太郎は袂さ入った石三つをこっちさ投げてよこしたど。道下さ二つ、河越えて来んべどて慶次之介は葛つるさ足引かけて転んだったて。そして転んだところが「丸山」で、そこには葛つるが生えないど。
(高橋きみの)
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