4 南の山の馬鹿聟 ― 唐傘 ―

 南の山さ、馬鹿聟いだったど。
 嫁に来たとき、天気わるいとき、みな唐傘、がらがらとさして行ったもんだから、
「あんなものさして家さ入らっではたまらね、まず」
 て言わっで、嫁はその家さ入らんねくて、次の晩げ帰ったどか。
(高橋きみの)
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