1 瓜姫子と天邪鬼ばさまが、「トコロ掘りに行って来っから、機織りしてで、決して、天邪鬼来たたて戸を開けんな」 て言うて行った。そんで瓜姫子は、 テキパキ キジョロ クダがないぞ ウバヤーレ ウバヤーレ て、瓜姫子は唄って織ってだなであったど。そこさ天邪鬼が来て、 「つうとでええから、開けて呉ろ。ほんとの爪むぐるだけでええから開けて呉(く)ろ」 て言わっで、開けたら、ガラリしまいには開けて、瓜姫子の髪ほどいて梨の木さ下げたど。そして殺した。自分がその代りになって、ばさま帰って来たときに織っていだったど。ばさまはトコロ掘って来て茹(ゆ)でで、 「瓜姫子、まず、こがえ掘って来たから、トコロ茹でだし、機織り休んで食(く)え」 て言うたば、つねになどきれいに皮剥(は)いで、ちいと食うだげで、いっぱいなて食ねなの、なんと皮も剥かねでガムガム、ガムガムと食って、なんちゅうもんだべ、おらえの瓜姫子、こんなことして今まで食ったことないが、妙なごんだて、ばさまいだったど。 そこさ鳥ぁさやずったど。 瓜姫子のるべき玉のみこしさ 天邪鬼はのりーた のりーた て、鳥鳴いたので、天邪鬼だと分って、天邪鬼は殺さっだど。 |
(高橋きみの) |
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