33 笠地蔵

 まいど、地蔵さまさ、雨降りのとき、そのじじぁ来っどき、
「地蔵さま、雨降ってなんぼか、だっでえがんべ」
 て、蓑と笠着せて来たけって。そして年取りの晩げ、火どんどんと焚いて、年 取りでいたれば、夜、ヤイヤイ、ヤイヤイて音すっけど。そして、何だといたら ば、
「笠の代もって来た、蓑の代もって来た」
 て言うけど。そして、
「ここだ、ここだ」
 て、夜ドサドサ、ドサドサと、でっしら、金から着物から置いで行ったど。そ して開けてみたれば、銭と金たくさん入口さ置いっだけって。
 んだから灯 (あかし) 切らさねじど、テントヅキぁ来るなんて言うてだもんだ。
(大平・渡部もよ)
>>飯豊町昔話集 目次へ