24 瓜姫子

 瓜から生まっで瓜姫子ていうて、おがって機織りして、そのばんさが、
「おれ、町さ行って来っから留守居してろ、天邪鬼来っから決して、おれ居ない とき、戸開けんなよ」
 て、そう、そのばんさに教えらっだど。そしてばんさ行った後さ、その天邪鬼 が、じきに来て、「戸開けろ、戸開けろ」て言うて、ビリビリと開けて、天邪鬼殺 して、前の梅の木さ結つけて、自分が化けて瓜姫子の着るもの着て、機さ上がっ て、機織りしていたど。そうすっど梅の木さ鳥喰付いて、
   瓜姫子の機 (はた) に
   天邪鬼がぶちのって
   キーコパタン キーコパタン
 て言うど。「異なこと鳴く鳥いたもんだ」なて、ばば、梅の木見たれば、瓜姫子 髪結 (ゆ) つけらっで吊るさっでいたど。こんど、「この畜生」て、天邪鬼せめたどこだ ど。そして天邪鬼殺してカヤ畑引きずって歩 (あ) るったから、カヤの根っこ赤いんだ ど。とーびんと。
(新沼・土屋もと)
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