18 クェンクェンコむかしばばが川さ行ったら、赤い小箱と白い小箱流っで来たど。「赤い小箱こっちゃこい、白い小箱そっちゃ行げ」 て言うて、開けてみたら、クェンクェンコ入っていたけど。そのクェンクェン コ飼ってで、畑さ行って、「ここ掘れ、ここ掘れ」て言うから掘ったれば金出たど。 そうすっど隣のじじから借りに来らっで、貸して、汚ないものばり出たもんだか ら、そいつつぶして松の木植えたど。そうすっどそいつ伐ってスルス拵って、そ して挽くじど、じじとばばどさ、銭ザクザク、じじどさ金、ばばどさ銭、ゾロゾ ロ、ゾロゾロ出た。そうすっどまた隣のばば見て行って、じじぁまた借りに来た。 根性ええもんだから貸さねて言わねで、また貸してやった。ねっから、スルス挽 いでも、やっぱりあの通りで、汚ないものばり出るもんだから、 「こんなもの分んねぇ」 て、切って焚いでしまった。そして焚いてしまった灰を攫 (さら) って来たわけだ。そ して花咲じじいしたなだな。そこさ殿さま通りかかったど。 アヤチュウチュウ コガネサラサラ チチンポンポン パラリン て咲かせたれば、「いや、みごと、みごと」なて殿さまに賞めらっで、御褒美も らったど。そしてこんどその褒美もらって来たの見て、隣のじさま、また真似し てしたどこだど。灰集めて行ってしたれば、殿さま来っどこ待っててかけたれば、 こんど殿さま灰だらけになったど。そして縄つきになったど。んだから人の真似 しねんだけど。とーびんと。 |
(大平・渡部もよ) |
>>飯豊町昔話集 目次へ |