4 かおすと狐

 狐はかおすが雑魚いっぱい獲ったからか招ばっで行ったんだど。かおすは雑魚 とりが上手だったから、
 「なじょして獲るもんだ」
 て、狐ぁ聞いだど。そしたば、
 「寒じる晩げ、川さ行って、尻尾を入っで置くじど、そうすっじどそいつさいっ ぱい付くなだ」
 て言うたど。そうすっじど、そいつ寒じて凍 (し) みたもんだから、ちょっと引っこ 抜けねど。そうすっど、
 「少々の雑魚、ひんぬけろ」
 て言うたげんど取んねがったど。そして獲らっでしまったど。んだから人の真 似はしねんだけど。
(大平・渡部もよ)
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