28 中ぐらいなねずみ

 むかしむかし、姑と嫁がいて、ほだしているうちに、カタコト、カタコトて音したけぁ、ねずみ出はって来た。ほしたけぁ、嫁ぁ、
「あららら、(おっ)かいねずみだごど」
 姑かか、
「なに、あだな()っちゃこいねずみだどら」
 いや、大かいねずみだ、ちっちゃこいねずみだ…。
「ちっちゃいず」
「んだて、ちっちゃこいなて言うげんども、あだな八寸もあるような、大かいべず、おかちゃ」
「大かいざぁない、ちっちゃこい」
 大かい、ちっちゃこいで、二人で言い合いしたげんども、どうしても先には姑かかざぁ偉くて、御無理御尤もで聞かんなね。大かい、ちっちゃこいて論判してるうち、ねずみはまた出はってきて、泣いだど。
「ちゅうちゅう、ちゅう」
 結局、大きくも小っちゃこくもなくて、ほのねずみは中ぐらいだったど。どんぴんからりん、すっからりん。
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