テデッポッポ


 むかし、おっかぁと息子いだったど。山て云えば川、川て云えば山ていう気持 の息子だったど。何でも反対なもんだったど。それがために、親がそのとき、
「オレが死んだらば、川さだずど、水出っから、山さ埋めてけろな」て遺言しっ たっだど。ところぁ親が死んだもんだから川さ埋めて来たど。
 そうすっど、雨ぁ降って水ぁ出れば、おっかぁが流れる。んだから雨降っど、
   テデッポッポ カカァ流れる
 て鳴くんだど。んだからそういういびつなことするもんでないど。
(西高玉 佐藤まつ)
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