ドンドンガラリンの化物むかし、夜さなっど、お蔵王さまに、〝ドンドンガラリンのドンガラリン ピンピンガラリンのピンガラリン トーヒャラット エイ ヒョーロット ドンドン〟 て毎晩鳴く化物いだったもんだから、おかなくておかなくて、組寄合して退治 に行ったど。 そこにお上人さま〔お行さま〕がおったので、神おろししてもらって伺いを立 てたら、 「あいつは煮 (に) たつ湯いっぱい持って行って、化物さぶっかけてしまうじど、一番 易く退治される」て教えらっじゃど。んで湯殿山神社のお行さまなもんだから、みんな本気して、お湯を五升、コシキに沸して行ったど。やっぱり、 〝ドンドンガラリンのドンガラリン ピンピンガラリンのピンガラリン トーヒャラットエイ ヒョーロットドンドン〟 てはじまった。その鳴声めがけて、お湯をありったけぶっかけた。そうしたと ころが、なして、こげえな大きな茸だったど。んだけんど、お湯掛けらっで、縮 んで小 (ち) っちゃぐなった茸一本だっだど。トービント。 |
(貝生 工藤六兵衛) |
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