81 日吉丸―和尚と小僧―むかしむかし、日吉丸ていう子どもいて、後の太閤関白秀吉になった人だげんども、小っちゃこいときはとっても頓智もあるし、きかねがった。あんまりきかねがったもんだから、お寺さ小僧こにやらっだ。ところがある日、檀家から牡丹餅届いた。和尚さんが出かけた。何とも子どもなもんだから、食だくて食ってしまった。黙って食 「なんだ、こりゃ、日吉丸。お前、牡丹餅食ったな」 「食 「食ねなて、減ったどこりゃ」 「何だか、あの、さっきお釈迦さま食ったようだけ」 「お釈迦さま食ったりしね」 「いや、口さ小豆ついっだかも知んね」 自分がつけて、すました顔でそういう風に言うた。したれば、 「よし、食ったか食ねが、叩いてみっど、いっぺんでわかる」 和尚さんが、お釈迦さまば叩いてみたれば、クワンクワンて言うたど。 「ほれ、食ね、食ねて言うたどら」 したれば、日吉丸は大きな鍋さお湯グダグダ煮たど。はいっちゃこんどはお釈迦さまば煮たど。ほしたれば、クタクタ、クタクタていうたって。したれば和尚さんが、「いやいや、負けた負けた」ていうたど。どんぴんからりん、すっからりん。 |
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