118 苞コの納豆の賭
むかしむかし、賭けごとていうな、よくしたもんだけど。
半刻で、納豆、苞コまんま食えっか食(んねかていうので、賭になったって。
「ほだな、ワラだも。食(れるもんでない」「いや食(い」「いや食(んね」
ほしてとうとうドブロク一升賭けになった。ほうしたけぁ、食(えて言う人、なぜすっかと思ったれば、ほの、「用意、どん」で半刻。ほうしたれば大きい鍋さ苞コがらみ入っで、カラリカラリて、煎り始めた。だんだぇほの苞コは黒くなって、ほして炭みたいになってしまったはぁ。炭から、こんど火点いて、灰になってし
まった。「まだ四十分だ」て言うて、ほれからこんど、納豆は苞コから取り出しておいっだほで、ほの苞コの灰になったのさ、納豆ばくるくると混ぜで、ほしてはいつ食ってしまった。ほんで、ほれ、煮てわれ、焼いて悪れていう約束すねがったもんだから、納豆苞コがらみ食(っで、賭けた人負けだっけど。どんぴんからりん、すっからりん。
|