133 三ツ目

 ある村で嫁もらった。して、この辺では昔から三日目に「三ツ目」というて、嫁の実家さ聟と、こっちの母親、あるいは父親なの行って三ツ目ていう儀式があった。親父が、
「ああ、これ、明日〈三ツ目〉で行かんなねぞ」
「おっつぁん、三ツ目、終(きま)ったはぁ」
「なんだ、三ツ目、終(きま)ったはぁなて、まだ誰も行っていね。なんだ、終(きま)ったなてどういうことだ」
「いや、来た晩から、四ツ目だったはぁ」
 どんぴんからりん、すっからりん。
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