131 風呂屋の娘

 むかしむかし、風呂屋の娘が良縁あって、嫁(むかさっ)て行った。ところが間もなく戻ってきた。
「なして、お前、こだい早く戻って来た」
 ところが風呂屋の娘曰く。
「おかちゃん、おかちゃん、たまげた。うちの人片端(かたわ)だかも知んね
」 「なして」
「みんな下り向きだげんど、うちの人なのぼり向きだっけ」
 どんぴんからりん、すっからりん。
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