113 マタタビの由来

 むかしむかし、旅の坊さんがある峠ささしかかった。もう体力もつきてしまった。そこさばったり倒っではぁ、口開けて仰向けになってはぁ、そこさ倒れてしまったところが、上の方から何やら木の実がポチャッと落ちて来た。ところがそいつ夢中でムニャムニャムニャと食ったら、たちまち元気になった。ほして、
「ほう、おれ倒っでだんだ」
 こういうわけで、何だか元気のもりもりついて見たれば、黄色くうれた小指大の実がいっぱい実(な)ってだ。それがいわゆるその坊さんが元気で旅を続けたていうので、マタタビていう名前つけだんだど。どんぴんからりん、すっからりん。
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