105 東山の馬鹿聟 ― 尻にまんじゅう ―

 むかしとんとんあったんだど。
 東山の馬鹿聟は町さ行って、ほれ、自分のおかたさ饅頭買って来たんだど。ほして顔の方さやればええがったげんど、尻の方さやって、
「ほれ、饅頭食(く)え、饅頭食え」
 て言うたれば、あんまりおかたが尻つつかれるもんだから、屁スウーッとたっだんだど。
「饅(す)えねから食えづ、食えづ」
 て、一生けんめいつっつくもんだから、こんどは大きい屁ボーンてたっだど。
「あーあ、盆まで置かんねぇ、おれ食うべはぁ」
 て食ったけど。どんぴんからりん、すっからりん。
(尻に団子358)
>>鉢かつぎ姫 目次へ