7 逆(かっちゃ)ま物語ソーレ物語、語り候。語ればもっての物語。一反畑に瓜作り、二反畑に花が咲き、三反畑に大瓜ゴロゴロゴロッとなったの物語。ところが隣の裸(はんだか)野郎が来て、裸 (ひっとう)でヒットコヒットコにもえで行ったんの物語。そごを座頭に見つけられ、唖(おっち)に声かけられ、手なしにつかめられ、足なしに追(ぼ)われ、棒でしばれちゃ、縄で叩げのて、ジャエホエ、ジャエホエて追わっだんの物語。 とごろで、家の前の垣柴を潜(むぐ)るどて、踵(あぐど)の割り筋から後頭部(ぶんぬぐど)まで、蚯蚓(めめずぐ)のようだ棘(とげ)をべろっべろべっつりと刺した物語。 こらっ臼で掘っても抜けない、杵(けっけき)で掘っても抜けない。そこで岩の牛蒡(ごんぼ)畑の雑魚海のふぐだぢ(野菜の収穫し残したものの新芽)焼いで溶いでつけだれば、昨日(きんな)の今時分ベロベロベッツリと抜げだの物語。ケケーロー。 |
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