14 嫁入物語
ソーレ物語、語り候。語ればもっての物語。娘十七、八は嫁入り盛り、越後の国からもらい来た。タンス長持針手箱。これほど細々（こまごま）としてやるに、必ず必ず出て来るな。
これや母（かが）さん、そりゃご無理、嫁と姑のことなれば、東が曇れば風となる。西が曇れば雨となる。千石つんだる船でさえ、嵐が来るなら戻て来るんだの物語。
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